信用情報の回復という手続きは無い
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「信用情報を回復する」という言い方をされることがあります。そういう手続きは、どの信用情報機関にもありません。起きているのは、登録期間が過ぎて記録が消えることだけです。
期間が過ぎると自動で消える
記録は、本人が何かを申し出なくても、登録期間が過ぎれば消えます。全国銀行個人信用情報センターのページにも、そうはっきり出ています。
センターに登録される個人信用情報とその登録期間は次のとおりです。なお、各情報は、登録期間経過後に自動的に削除されます。
自動的に、と書かれています。だから確かめるのは「いつ契約が終わったか」で、そこから数えることになります。
異動(延滞や破産があったことを示す表示)そのものの読み方はブラックリストの確認は異動欄を見るにまとめました。
契約の情報は、どこも5年
契約と返済の情報は、3つの機関とも契約が終わってから5年で区切っています。全国銀行個人信用情報センターの表記はこうです。
契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間
CICは「契約期間中および契約終了後5年以内」としています。日本信用情報機構(JICC)は契約日で分けていて、2019年10月1日以降の契約について「契約継続中及び契約終了後5年以内」です。
CIC
- 契約期間中および契約終了後5年以内
JICC
- 契約継続中及び契約終了後5年以内
全国銀行個人信用情報センター
- 契約期間中および契約終了日から5年を超えない期間
言い方は違うが、どれも契約が終わってから5年で区切っている
どこも5年ですが、起点の書き方が違います。「契約終了日」なのか「完済日」なのかは、完済していない場合に差が出ます。
官報の情報だけ、7年のところがある
破産や民事再生のように官報に載る決定は、全国銀行個人信用情報センターでは7年残ります。
当該決定日から7年を超えない期間
自己破産をした人が「5年で消える」と読んでいると、銀行系の審査でだけ食い違うことになります。
| 何の情報か | 全国銀行個人信用情報センターでの期間 |
|---|---|
| 契約と返済 | 5年を超えない期間 |
| 官報に載る決定 | 7年を超えない期間 |
申し込みの記録は、見える期間と使われる期間が違う
申し込みの記録は、本人が見られるのが1年、会員(カード会社など)に提供されるのが6か月です。
当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間
自分の開示結果に申し込みの記録が残っていても、その時点で会員へ提供されているとは限りません。半年より前の申し込みは、本人にだけ見えている状態になります。
短期間に何件も申し込むと不利になると言われるのは、この6か月の側の話です。CICでも、申込情報の保有期限は情報にアクセスした日から6ヵ月間です。
JICCは2019年10月1日で分かれている
JICCの登録期間は、契約日で2つに分かれています。2019年9月30日以前の契約は「完済日から5年を超えない期間」、2019年10月1日以降の契約は「契約終了後5年以内」です。
完済していない古い契約は、起点そのものが来ていないことになります。延滞したまま放置している契約があると、そこから数え始められません。
3つの機関は互いに情報を交流している
1つの機関だけ開示しても、全体は分かりません。3つの機関は、延滞などの一定の情報について相互に交流する枠組みを持っていて、どの機関に加盟している会社でも一定の情報は参照できる形になっています。
とくに官報の情報は期間が7年のところがあるので、銀行系の審査を受ける前は、そちらも確かめておくことになります。3機関の申込方法と手数料の違いは信用情報の開示は3機関それぞれに申し込むに並べました。
何も残っていない状態を「スーパーホワイト」と呼ぶことがある
期間が過ぎて全部が消えた状態を俗にスーパーホワイトと呼びますが、CICの開示報告書の見方にも、割賦販売法にも、この言葉は出てきません。記録が無いことを理由に申し込みを断る、という条文もありません。経済産業省の割賦販売法のFAQは、審査で見る要素を次のように挙げています。
クレジットの与信審査は、収入、債務の他、返済履歴、商品の担保価値など様々な要素を総合的に勘案して行われています。
返済履歴は挙げられている要素の1つで、それだけで決まるとは書かれていません。
そもそも、時間が経てば誰でもこの状態になりえます。 5年の期間が過ぎればクレジット情報は消え、申し込みの記録はもっと短い期間で消えます。カードを持ったことがない人も、持っていたが期間が過ぎた人も、開示結果の見え方としては同じところに行き着きます。どちらなのかは開示結果からは分かりません。
期間が過ぎたあとに何をするか
記録が消えても、審査に通ることが決まるわけではありません。審査の基準は公表されていないので、ここで断定できることはありません。できるのは、申し込む前に自分の開示結果を確かめて、消えているはずのものが残っていないかを見るところまでです。
年会費が公式サイトにテキストで明示されているカードとして、このサイトではリクルートカードを載せています。発行手数料と年会費が無料で、2年目以降も無料と書かれているものです。通るかどうかは分かりません。確かめられるのは条件のほうだけです。
年収を自己申告でよいとする根拠はクレジットカードの申込書の年収欄はどう書くのかにあります。勤務先への電話がどう扱われるかはクレジットカードの在籍確認という制度は法令にないにまとめました。
本人の依頼で消せるものもある
本人申告情報と貸付自粛は、本人が自分から登録したものなので、自分で外せます。JICCはこの2つを「ご本人から削除依頼があった場合はその時点まで」としています。契約や返済の記録とは性質が違います。
記録に誤りがあるときは、事実でない部分に限って訂正を求められます。個人情報保護法34条1項です。
個人情報保護法34条1項を開く
本人は、個人情報取扱事業者に対し、当該本人が識別される保有個人データの内容が事実でないときは、当該保有個人データの内容の訂正、追加又は削除(以下この条において「訂正等」という。)を請求することができる。
事実である記録が消えるわけではありません。
消去を請求できる場面も、要件で限られている(35条1項)
利用の停止や消去を求められるのは、法律に違反した扱いがあったときだけです。35条1項が挙げているのは、18条(利用目的の制限)・19条(不適正な利用の禁止)に違反して取り扱われているときと、20条(適正な取得)に違反して取得されたときです。登録の手続きが正しく行われていれば、ここには当たりません。
訂正等(34条1項)
- 内容が事実でないときに請求できる
- 求められるのは訂正・追加・削除
- 事実どおりの記録は対象にならない
利用停止等(35条1項)
- 18条・19条・20条の違反があったときに請求できる
- 求められるのは利用の停止または消去
- 正しく登録された記録は対象にならない
事実かどうかを見るものと、違反があったかどうかを見るもので分かれる
請求すれば、調べて答える義務がある
身に覚えがない記録があるときは、請求してみる価値があります。請求を受けた側は調べる義務を負い、訂正しないと決めたときも本人に知らせます。調査の義務は34条2項です。
34条2項を開く
個人情報取扱事業者は、前項の規定による請求を受けた場合には、その内容の訂正等に関して他の法令の規定により特別の手続が定められている場合を除き、利用目的の達成に必要な範囲内において、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき、当該保有個人データの内容の訂正等を行わなければならない。
結果の通知は34条3項です。
34条3項を開く
個人情報取扱事業者は、第一項の規定による請求に係る保有個人データの内容の全部若しくは一部について訂正等を行ったとき、又は訂正等を行わない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨(訂正等を行ったときは、その内容を含む。)を通知しなければならない。
請求の相手は信用情報機関と、登録した会社の両方が考えられます。どちらに出すかは信用情報の開示を求められる根拠は割賦販売法ではないで分けました。
「回復させます」と言われたら
期間の経過か、誤りの訂正か、自分で登録したものの削除。消える経路はこれだけです。
正しく登録された記録を、費用を払って消す方法はありません。そう持ちかけられた場合は、消費者ホットライン 188 に相談できます。記録の内容そのものを確かめるほうが先で、手順はCIC開示報告書の見方にまとめました。
この記事で確かめたこと
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