ガソリンカードのおすすめは、値引きの3つの形で決まる
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給油カードを比べようとすると、数字の書き方がそろっていないことに気づきます。「2円/L引き」「最大7円/L引き」「会員価格」。単位も条件も違います。
3社の公式サイトを開くと、値引きの形が3つに分かれていました。
形1|会員価格
金額を出さず、価格そのものを会員向けに変える形です。
コスモ・ザ・カード会員価格で燃料油がおトク!(会員価格とならない店舗もございますので、店舗にて価格をご確認ください)
コスモ・ザ・カード・オーパスがこの形です。いくら安くなるかは公式サイトに出ていません。括弧の中に、会員価格にならない店舗があることまで書かれています。
比べるときにこれは扱いにくい形です。金額が決まっていないので、ガソリンの平均価格から値引きを率に直すで使った率への換算ができません。給油する店で価格を見るしかありません。
形2|定額値引き
いつでも同じ額を引く形です。ENEOSカード S がこれにあたります。
ガソリン・軽油はずっと2円/L引き!灯油は1円/L引き!
「ずっと」と書かれていて、月の上限も反映の遅れも注記に出てきません。灯油だけ1円/L引きと分けているところまで書かれています。
3つの形のうち、計算がいちばん簡単なのはこれです。給油量に2円を掛ければ、その月の値引き額になります。
形3|段階値引き
利用額に応じて単価が変わる形で、ENEOSカード C がこれにあたります。
毎月のカードご利用金額に応じてガソリン・軽油が最大7円/L引き!
「最大」が付く形は、注記のほうに条件が並びます。まず、値引きが付く量は月150Lまでです。
値引き単価の適用は、本人・家族カードでのガソリン・軽油のご利用の合算で毎月150Lまでとなります。
反映の時期も注記にあります。1ヶ月目のカード利用金額に応じて値引き単価が案内され、3ヶ月目の給油分に対して請求時に値引きされます。入会後の当月と翌月は2円/L引きで、値引き単価の対象に手数料や年会費は含みません。
出光の有料オプションと、同じ設計になっている
apollostation card の有料オプション(ねびきプラス)も、月150Lまで・利用額で単価が決まる・反映は数か月あとという同じ組み立てでした。条件の読み方はねびきプラスサービスは年会費550円の元が取れるかにまとめています。
| ENEOSカード C | apollostation ねびきプラス | |
|---|---|---|
| 単価の決まり方 | 毎月のカード利用金額 | 毎月のカード利用金額 |
| 月の上限 | 150L | 150L |
| 反映 | 1ヶ月目の利用 → 3ヶ月目 | 数か月あと |
発行会社が違うのに、条件の形がそろっています。だから「最大◯円/L引き」を見たら、月の上限と反映の時期を探す、という読み方がどの会社のカードでも使えます。
年会費のかかり方も分かれる
値引きの形とは別に、年会費は0円・条件つき無料・初年度のみ無料の3通りに分かれます。
| カード | 年会費(税込) | 無料になる条件 |
|---|---|---|
| コスモ・ザ・カード・オーパス | 0円 | 条件なし。永年無料 |
| ENEOSカード S | 1,375円 | 初年度無料。以降は年1回以上の利用で無料 |
| ENEOSカード C | 1,375円 | 初年度のみ無料 |
| ENEOSカード P | 1,375円 | 初年度のみ無料 |
コスモは条件そのものがなく、年会費は永年無料です。家族会員も永年無料と書かれています。カードを持つだけなら費用がかからないので、給油量が読めない人でも損が出ません。
同じ1,375円でも、ENEOSカード S だけ免除の条件が付いています。
年1回以上のカード(Apple Pay・QUICPay・ETC含む)のご利用で、次年度の年会費は無料。
CとPには次年度以降の免除条件が書かれていません。
ここで年会費と値引きの向きが逆になります。値引きがいちばん大きいCは年会費がかかり続け、値引きが会員価格で読めないコスモは年会費がかかりません。給油量が多い人ほどCが効き、少ない人ほどコスモが効く形です。
年会費を給油量で回収できるかの計算はapollostation カードの年会費はポイントで埋まるかで、出光のカードを例にやり方をまとめています。同じ計算がENEOSにも使えます。
出光のカードは年会費が7種類に分かれるので、出光カードは7種類|年会費を1枚ずつ並べるに分けました。
ポイントで返す形もある
ENEOSカード P だけは値引きではなく、ポイントで返します。ENEOSでの利用は最大3%の還元です。同じページに、ポイントはENEOSでの利用とそれ以外で別々に計算すること、1,000円未満は切り捨てになること、有効期間が2年であることが書かれています。
値引きとポイントは、計算の単位が違います。1リットルごとに引かれるのか、利用金額の合計に率を掛けるのか。この違いはガソリン代のクレジットカードは値引きと還元で計算の単位が違うで扱いました。
3社とも「適用外になる場合がある」と書いている
店のキャンペーンなど他の割引と重なると、カードの値引きが効かないことがあります。ENEOSの3枚には同じ注記が付いています。
他の割引・優待サービス等を利用されて、カード特典での値引き金額が売上金額と同額または上回った場合、カード特典値引きは適用外となる場合があります。
コスモも「会員価格とならない店舗もございます」と書いています。
つまりどの形を選んでも、給油する店によって結果が変わります。公式サイトの数字は、その店で必ずそうなるという約束ではありません。
注記まで読むことに、法律の側の理由がある
大きく書かれた数字と、注記に置かれた条件の距離を見ているのは、景品表示法5条2号(有利誤認)です。基準は、書いてあるかどうかではなく、読んだ人がどう受け取るかです。景品表示法5条2号の文言です。
景品表示法5条2号を開く
商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
見ているのは「一般消費者に誤認される表示」かどうかです。だから注記に条件が書いてあることは、それだけで問題が無いことを意味しません。逆に、注記まで読めば条件が分かる形になっているものも多いので、読者の側でできるのは、注記まで読むことになります。
裏付けを求める仕組みもあります。7条2項では、5条1号に当たるかを判断するため、裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を事業者に求められます。出さなければ、当たる表示とみなされます。ただしこの仕組みが向いているのは5条1号(品質や内容の優良誤認)で、価格や取引条件の2号は対象になっていません。値引きの条件については、根拠の提出をこの条文で求めることはできません。
景品表示法5条1号
- 品質・規格その他の内容
- 7条2項で資料の提出を求められる
景品表示法5条2号
- 価格その他の取引条件
- この条文では資料の提出を求められない
違うのは号。値引きの単価は取引条件のほうなので、この条文では根拠の提出を求められない
このサイトが値引きの単価を公式サイトの表記どおりに写して、注記まで並べて書いているのはこのためです。条件を落とすと、そのまま読者の判断材料が減ります。
申込条件も見ておく
コスモ・ザ・カード・オーパスの申込資格には、「ご自宅に電話がある方」という条件が残っています。
満18歳以上(高校生を除く)で、安定した収入のある方で、ご自宅に電話がある方。
携帯電話しか持っていない場合にどう扱われるかは書かれていないので、申し込む前に確認する項目になります。
審査で何を見るかは公表されていません。条文で決まっているのは、支払可能見込額(年収から生活費などを差し引いて、1年間に払えると見込まれる額)です。何が公表されていて何が公表されていないかはクレジットカードの審査で調べる支払可能見込額にまとめました。
発行会社は3社とも違う
契約する相手も分けて見ておきます。
| カード | 発行 |
|---|---|
| コスモ・ザ・カード・オーパス | イオンフィナンシャルサービス株式会社 |
| ENEOSカード S・C・P | 株式会社トヨタファイナンス |
| apollostation のカード | 出光クレジット株式会社 |
給油するブランドと、カードを発行する会社は別です。問い合わせ先も引き落としの日も、発行会社のほうで決まります。
4つ目の形として、値引きの無いカードがある
ここまでの3つは、どれも給油のときに単価を下げる形でした。単価を下げずに、ポイントで返す形もあります。
記事末尾の表に挙げたリクルートカードは、年会費が永年無料で還元率1.2%です(2026年8月30日確認)。ポイント加算・利用条件の一覧に給油の除外がありません。だから給油も、ショッピング利用として加算されます。
比べ方は変わります。値引きは1リットルごとに効き、還元は月の合計に効きます。月の合計に対する1.2%と、リットルあたり何円かは、そのままでは比べられません。率に直したものがガソリンの平均価格から値引きを率に直すにあります。
給油以外の支払いが多い人ほど、還元の側が効きます。
この記事で確かめたこと
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