クレジットカードの申込書の年収欄はどう書くのか
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クレジットカードの申込書の年収欄は、自己申告が基本です。源泉徴収票などの証明書は、原則として求められません。
年収の調査は消費者の自己申告が基本です。証明書などの提出を求める必要はありません。
手元に源泉徴収票が無くても申し込めます。ただし申告した数字は、そのまま支払可能見込額(いくらまで払えるかの見込み)の計算に入ります。大きく違う額を書くと、その額を前提にした限度額が決まることになります。
条文が名指ししている調査項目(割賦販売法30条の2第1項)
申込書が年収・預貯金・他社のクレジット・借入れを聞くのは、法律がこの4つを調べるよう名指ししているからです。割賦販売法30条の2第1項の文言です。
割賦販売法30条の2第1項を開く
年収、預貯金、信用購入あつせん(包括信用購入あつせん及び個別信用購入あつせんをいう。以下同じ。)に係る債務の支払の状況、借入れの状況その他の当該利用者の包括支払可能見込額を算定するために必要な事項として経済産業省令・内閣府令で定めるものを調査しなければならない。
条文が挙げているもの申込書での聞かれ方
年収
年収欄
預貯金
預貯金額の欄(ある場合)
信用購入あつせんに係る債務の支払の状況
他社のクレジット利用状況
信用情報から取る
借入れの状況
他社借入額の欄
このうち3つ目は自己申告ではなく信用情報から確認されます。申告と信用情報が食い違えば、そこで整合が取れなくなります。
条文には勤続年数も雇用形態も出てきません。それらを見ているかどうかは各社の裁量で、公表されていません。比較サイトが挙げる「勤続3年」といった目安に、条文上の根拠はありません。
自己申告だからといって、盛れるわけではない
申告が基本でも、数字を自由に決めてよいわけではありません。他社の債務は、指定信用情報機関(国が指定した信用情報の機関)に登録された情報で照会されます。年収だけを大きく書いても、債務の側は登録内容のまま残ります。年収は、審査で調べられることで見たとおり引き算の出発点にすぎません。
もう1つ、申込内容の虚偽は各社の会員規約で解約や利用停止の理由に置かれています。規約の文言は会社ごとに違うので、申し込むカードの規約で確認してください。
「年収」に何を含めるか
条文の言葉は「年収」だけなので、何を含めるかは申込書の注記に従います。迷いやすいのは次のあたりです。
- 賞与を含めるか(含めるのが一般的だが、注記を確認する)
- 税込か手取りか(税込で書くのが一般的)
- 副業や不動産収入を足すか
- 給与以外が主な収入のとき
注記が無い場合に自分の解釈で足し引きすると、信用情報や過去の申告と食い違います。分からないときは、カード会社の問い合わせ窓口で聞くのが確実です。
キャッシング枠を希望する場合は貸金業法も重なります。そちらの基準は条文で「その年間の給与及びこれに類する定期的な収入」と限定されており、割賦販売法の「年収」とは書き方が違います。
生活維持費は自分では書かない
生活費は申込書に書きません。世帯の人数や住まいの状況に応じた標準額を、法令が置いているからです。経済産業省の割賦販売法FAQの説明です。
「生活維持費」は、利用者のプライバシー保護の観点から生計を一にする者の数、持家の有無などの状況などを基に省令で定めた金額又はFinTech等のサービスにより把握した生活維持費実費を算定に使用します。
申込書で世帯人数や住居の状況を聞かれるのは、この金額を引くためです。同じ年収でも、同居している家族の人数や持家かどうかで差し引かれる額が変わります。節約しているかどうかは計算に入りません。
金額は施行規則の別表に出ている
差し引かれる額は、生計を一にする人数と、住宅ローンや家賃があるかで90万円から240万円まで分かれます。割賦販売法施行規則45条1項が指している別表第二の額です。
| 生計を一にする合計数 | ローンも家賃も無い | ローンか家賃がある |
|---|---|---|
| 1人 | 90万円 | 116万円 |
| 2人 | 136万円 | 177万円 |
| 3人 | 169万円 | 209万円 |
| 4人以上 | 200万円 | 240万円 |
左の列は、持家で住宅ローンを組んでいない場合と、持家でも借家でもなく家賃を払っていない場合です。右の列は、住宅ローンを返している場合と、家賃を払っている場合になります。
3人で住宅ローンがある場合の209万円は、4人以上でローンも家賃も無い場合の200万円より大きくなります。引かれる額は人数だけで決まるわけではありません。
申告しないと、いちばん大きい額が引かれる
世帯人数と住居の欄を空けたままにすると、表でいちばん大きい240万円で計算されることがあります。同じ45条の2項1号です。
別表第二の上欄に掲げる利用者又は購入者等及びその者と生計を一にする者の合計数及び同表の中欄に掲げる場合の区分の双方について申告を受けることができない場合二百四十万円
年収を正確に書いても、この2つを埋めなければ差し引かれる側が最大になります。
収入が自分にない場合
本人に収入がなくても、生計を支えている配偶者や親の年収を合算して計算できます。ただし、発行が約束されるわけではありません。
全文を開く(141字)
配偶者や親等「他の者」の収入により生計を維持している専業主婦(夫)や学生等の場合は、「他の者」の年収や預貯金を合算して支払可能見込額を算定することが可能です。ただし、算定の結果によってはクレジットカードが発行されない、又は、クレジットカードの更新の際に限度額が下がることがあります。
後半の「更新の際に限度額が下がる」ほうは、申し込みが済んだあとの話です。限度額が更新で動く仕組みはクレジットカードの限度額はどう決まり、更新でどう動くかで追いました。
合算できる相手の範囲は平成30年6月1日に広がりました。それ以前は「二親等以内」に限られていましたが、家族形態の多様化を踏まえて撤廃され、生計を維持している関係があれば合算できるようになっています。
合算に相手の同意が要るかは、誰の収入かで分かれる(施行規則40条2項)
配偶者の収入で生計を立てている人は同意を求められず、親など配偶者以外の収入を合算するときは、その人の事前の同意が要ります。割賦販売法施行規則40条2項のただし書きです。
割賦販売法施行規則40条2項を開く
前条第一号に掲げる事項の調査については、利用者から受ける年収の申告その他の適切な方法により行わなければならない。ただし、包括信用購入あつせんをするためカード等を他の者の収入又はその収入及び他の者の収入により生計を維持している利用者に交付し又は付与しようとする場合(主として配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下同じ。)の収入により生計を維持している者(以下「特定配偶者」という。)以外の者に交付し又は付与しようとする場合にあつては事前に書面その他の適切な方法により当該他の者の同意を得たときに限る。)には、当該他の者から受ける当該他の者の年収の申告その他の適切な方法により、当該利用者及び当該他の者の年収を合算して算定することができる。
本文の前半は、年収の調査を申告で行ってよいことの根拠でもあります。
| 誰の収入で生計を維持しているか | 合算するときに要るもの |
|---|---|
| 主として配偶者(特定配偶者) | 条文は同意を求めていない |
| それ以外(親など) | 事前に書面その他の適切な方法による、その人の同意 |
配偶者には、婚姻の届出をしていない事実婚も含まれます。親の収入で生計を維持している学生が合算する場合は、申し込みの前に親に話しておくことになります。
申込書で確認しておきたい欄
年収以外にも、計算に直接入る欄があります。
欄何に使われるか
世帯人数・同居家族
生活維持費の金額を決める
住居の種類(持家か賃貸か)
生活維持費の金額を決める
住宅ローン・家賃の負担
生活維持費の金額を決める
他社の借入状況
照会結果と突き合わせられる
勤務先・勤続年数
各社の判断材料
法令の計算式には現れない
勤続年数を各社が独自に見ている可能性はありますが、そこは公表されていないので確かめられません。勤務先を申告させること自体は法令に根拠がありますが、そこへ電話をかけて確かめる手続きは法令に定めがありません。その線引きは在籍確認という制度は法令にないにまとめました。
年収だけで決まるわけでもない
審査は年収だけでなく、返済履歴なども合わせて見るものだと、経済産業省は説明しています。
クレジットの与信審査は、収入、債務の他、返済履歴、商品の担保価値など様々な要素を総合的に勘案して行われています。
過去のクレジットの支払いがどうだったかは、CICの開示で本人も読める形で登録されています。年収は申告できても、そちらは申告で動きません。
同じFAQは、自動車ローンについて「1年間の支払額が支払可能見込額を超えるクレジット契約でも締結することができます」とする例外にも触れています。計算式の結果だけで機械的に決まる制度ではありません。
年収は勤務先情報と一緒に入る
年収は、勤務先の情報とまとめて入力します。このサイトが載せているリクルートカードの申し込み方法のページで、入力する内容を見ます(2026年8月30日確認)。
住所、電話番号、生年月日、ご職業などのご本人様情報と、お勤め先の所在地、電話番号、資本金、従業員数、入社年月、年収など、お勤め先情報を入力いただきます。
年収は資本金・従業員数・入社年月と同じ「お勤め先情報」の側に並びます。そこから何がどう判断されるかは公表されていません。入社年月のように記憶では埋めにくい項目もあるので、給与明細や雇用契約書を手元に用意しておくと入力が止まりません。
申し込む枚数について
短い期間に複数のカードへ申し込むと、そのたびに申込情報が登録され、CICの開示で見たとおり照会日より6ヶ月間残ります。各社がこの記録をどう扱うかは公表されていません。
申込書には、キャッシング枠を希望するかどうかの欄もあります。希望すると貸金業法の審査が加わり、年収の3分の1という別の上限がかかります。判断の材料は申し込みでキャッシング枠を付けるか決めるにまとめました。
年会費や発行までの日数はアポロステーションカードの申込と年会費にまとめています。結果が希望どおりにならなかった場合は審査に通らなかったときに分かることを参照してください。
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 8件
- 出典
- 4件(法令 2)
- 公開
引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。