クレジットカードの申込書に同意欄がないと、信用情報は照会できない
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カードの申し込み画面には、信用情報に関する同意のチェックが必ず入っています。読まずに進める人が多いところですが、あの欄は会社が任意で置いているものではありません。
同意がないと、そもそも照会ができません。条文がそう決めています。
照会には事前の同意が要る
クレジットカードは、ショッピングの部分とキャッシングの部分で根拠になる法律が違います。同意についての決まりは、その両方に置かれています。
ショッピングの側は割賦販売法35条の3の57第1項です。出てくる指定信用情報機関は、法律にもとづいて国が指定した機関のことです。
割賦販売法35条の3の57第1項を開く
加入包括信用購入あつせん業者又は加入個別信用購入あつせん業者は、加入指定信用情報機関に利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者に係る特定信用情報の提供の依頼(当該利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者に係る他の指定信用情報機関が保有する基礎特定信用情報の提供の依頼を含む。)をする場合には、経済産業省令で定める場合を除き、あらかじめ、当該利用者又は購入者若しくは役務の提供を受ける者から書面又は電磁的方法による同意を得なければならない。
キャッシングの側は貸金業法41条の36第1項です。
貸金業法41条の36第1項を開く
加入貸金業者は、加入指定信用情報機関に資金需要者等に係る信用情報の提供の依頼(当該資金需要者等に係る他の指定信用情報機関が保有する個人信用情報の提供の依頼を含む。)をする場合には、内閣府令で定める場合を除き、あらかじめ、当該資金需要者等から書面又は電磁的方法による同意を得なければならない。
書き方はほとんど同じです。押さえるところを図にしました。
あらかじめ
- 照会したあとで取ることはできない
書面又は電磁的方法
- 口頭の同意では足りない
他の指定信用情報機関が保有する
- 申し込んだ会社が入っていない機関の情報も対象
最後のものが見落とされやすい。同意の範囲は申込先の機関にとどまらない
3つ目が見落とされやすいところです。依頼の範囲に、他の機関が持っている情報まで含まれています。
「省令で定める場合を除き」の中身(施行規則119条1項)
条文には「経済産業省令で定める場合を除き」と書かれています。除かれる場合を挙げているのは割賦販売法施行規則119条1項です。
割賦販売法施行規則119条1項を開く
法第三十五条の三の五十七第一項の経済産業省令で定める場合は、次に掲げる時前に提供した包括信用購入あつせん若しくは個別信用購入あつせんに係る債務又は包括信用購入あつせん若しくは個別信用購入あつせんの手数料の管理に必要な場合とする。一包括信用購入あつせん業者又は個別信用購入あつせん業者と特定信用情報提供契約を締結している特定信用情報提供等業務を行う者が、法第三十五条の三の三十六第一項の指定を受けた時二包括信用購入あつせん業者又は個別信用購入あつせん業者が指定信用情報機関と特定信用情報提供契約を締結した時
挙がっているのは、指定信用情報機関の制度が動き出すより前に提供した債務や手数料を管理するために必要な場合だけです。指定を受けた時と、契約を締結した時が基準になっています。
これから申し込む人の照会は、ここに当たりません。同意なしで照会できる抜け道ではなく、制度ができる前からある古い取引の受け皿です。
同じ条の2項には、同意のまとめ方が書かれています。
加入包括信用購入あつせん業者は、あらかじめ、法第三十五条の三の五十七第二項各号に掲げる同意を購入者等から書面又は電磁的方法により包括的に得ることができる。
包括的に得ることができるとあります。買い物のたびに同意を求められないのは、申し込みのときに1回でまとめて取っているからです。
同意は3つに分かれている
契約を結ぼうとする場面では、求められる同意がさらに具体的になります。貸金業法41条の36第2項が3つ並べています。1号は提供そのものです。
当該顧客に関する個人信用情報を加入指定信用情報機関に提供する旨の同意
2号は、その情報が他の会社へ回ることについてです。
前号の個人信用情報を加入指定信用情報機関が当該加入指定信用情報機関の他の加入貸金業者に提供する旨の同意
3号は、機関をまたいで回ることについてです。割賦販売法35条の3の57第2項にも、同じ形で3つ並んでいます。
| 同意の中身 | 何が起きるか |
|---|---|
| 1号 | 自分の情報が機関に登録される |
| 2号 | 同じ機関に入っている他の会社が見られるようになる |
| 3号 | 別の機関に入っている会社にも回る |
見られる側と登録される側の両方に同意していることになります。申込書のチェックが1つでも、条文の上ではこの3つを含んでいます。
同意した記録は残る
同意を取ったあとの扱いも決まっています。貸金業法41条の36第3項です。
加入貸金業者は、前二項の同意を得た場合には、内閣府令で定めるところにより、当該同意に関する記録を作成し、保存しなければならない。
割賦販売法35条の3の57第3項にも同じ義務があります。
いつまで残すかは、割賦販売法のほうは施行規則121条に書かれています。
施行規則121条を開く
加入包括信用購入あつせん業者又は加入個別信用購入あつせん業者は、法第三十五条の三の五十七第三項に規定する同意に関する記録を、書面又は電磁的記録をもつて作成し、当該同意に基づき指定信用情報機関が特定信用情報を保有している間保存しなければならない。
終わりの線が日数や年数ではありません。指定信用情報機関がその情報を持っている間です。CICのクレジット情報の保有期間は契約期間中と契約終了後5年以内なので、同意の記録もそこに合わせて残ることになります。保有期間の内訳は信用情報をCICで開示して読むにまとめました。
だから「同意した覚えがない」という言い分は、会社側の記録と突き合わせられます。逆に言えば、同意を取らずに照会した場合は、記録が無いことで分かります。
同意しないとどうなるか
同意は義務ではありません。断ることもできます。ただし照会ができなくなるので、審査そのものが進みません。
年収から生活費などを差し引いて1年間にいくらまで払えるかを見る支払可能見込額の調査は、クレジットカードの審査で指定信用情報機関の情報を使うことを義務づけています。使うことが義務づけられている情報を取れないので、会社としては発行できない、という結論になります。
つまり同意欄は、実際には選べる形になっていません。選べるのは、申し込むかどうかのほうです。
同意を撤回できるか
いったん同意したあとで取り消せるかは、条文に書かれていません。書かれているのは、照会するときにあらかじめ同意を得ることと、その記録を保存することだけです。
現実には、契約が続いているあいだは登録も更新され続けます。支払いの状況が毎月登録されるのはそのためで、契約を解約すれば新しい登録は止まりますが、それまでに登録された情報は保有期間が過ぎるまで残ります。
解約するときに何が起きるかはクレジットカード解約のデメリットにまとめました。同意を外すことと、登録を消すことは別の話になります。
保証が付く場合は、見る相手が増える
照会してよい目的は、自分の顧客についてだけではありません。貸金業法41条の38第1項は、使ってよい調査を2つ挙げています。
1号は顧客本人の返済能力の調査です。2号はそれに加えて、その会社が結ぶ保証契約について、主たる債務者の返済能力を調べることを挙げています。
つまり保証が付く取引では、保証人が申し込む場合でも、借りる本人の側の情報を見る場面が出てきます。どちらの立場で名前を出しているのかによって、見られるのが自分の情報なのか相手の情報なのかが変わります。
申し込む前に、自分が契約者なのかそれ以外なのかを確かめておくことになります。規約に書かれている立場の名前で決まるので、呼び方が違っても中身は規約のほうを見ます。
見られる目的は限られている
同意したからといって、何にでも使ってよいわけではありません。使ってよい目的は別の条文で限られていて、信用情報の開示で割賦販売法39条1項を引いています。
貸金業法にも同じ形の決まりがあります。41条の38第1項が、返済能力等調査以外の目的での照会と使用と第三者提供を禁じていて、2項は加入貸金業者でなくなった後についても同じ制限を置いています。
同意の範囲と、使ってよい目的は別々に決まっています。同意しても目的の制限は外れません。
自分の記録を見るには
同意した結果として何が登録されたかは、開示請求で確認できます。申し込んだ事実も登録されるので、落ちた場合でも記録は残ります。
見方はCIC開示報告書の見方に、3機関それぞれへの申し込み方は信用情報の開示にまとめました。
同意と並んで申込書で迷いやすいのが年収欄です。こちらは条文が自己申告を前提にしています。根拠と書き方はクレジットカードの申込書の年収欄はどう書くのかにまとめました。
同意したあとに残ること
同意して照会が進んでも、審査に通るかどうかは別に決まります。この記事で確かめられるのは、照会に何が要るかまでです。
年会費が公式サイトにテキストで明示されているカードとして、このサイトではリクルートカードを載せています。発行手数料と年会費が無料で、2年目以降も無料と書かれているものです。申し込む前に自分で確かめられるのは、この種の条件のほうだけです。
ここまでで分かること
- 照会には、あらかじめ書面か電磁的方法での同意が要る(割販法35条の3の57第1項・貸金業法41条の36第1項)
- 口頭の同意では足りず、照会したあとで取ることもできない
- 依頼の範囲には、他の指定信用情報機関が持っている情報も入る
- 契約の場面で求められる同意は3つに分かれている(両法の第2項)
- 同意を得た記録は作成・保存の義務がある(両法の第3項)
- 同意しないと照会できないので、審査が進まない
- 同意しても、使ってよい目的の制限は外れない
この記事で確かめたこと
- 原文から引用した文
- 8件
- 出典
- 3件(法令 3)
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