限度額と更新のときの再審査
審査は発行のときに一度だけ行われるもの、と受け取られがちですが、契約している間も続きます。 CICは、そのための照会を「利用記録」として区別しています。
クレジットやローンの利用途上における支払能力を調査するなどのため、加盟会員が照会した事実を表す記録
新規申し込みのときの「申込情報」とは別枠で、契約中の照会が記録されます。保有期間はどちらも6ヶ月ですが、記録される場面が違います。
| 記録 | いつ登録されるか | 保有期間 |
|---|---|---|
| 申込情報 | 新規に申し込んだとき | 照会日より6ヶ月間 |
| 利用記録 | 契約中に会社が照会したとき | 利用日より6ヶ月間 |
開示報告書に自分で申し込んだ覚えのない照会が並んでいても、それが利用記録であれば、契約中のカード会社による途上の確認ということになります。
限度額は上がることも下がることもある
限度額が契約後に変わるのは、この途上の確認があるためです。割賦販売法の側から見ると、限度額の決定は次の位置づけになります。
クレジットカードを発行することやその限度額については、割賦販売法上は、利用者支払可能見込額の範囲内において、各事業者の判断に委ねられることとなりますが、各利用者のデータを適切に分析・解析して判断することが期待されます。
枠の中では各社の判断、というのが法律の建て付けです。審査で調べられることで見た支払可能見込額の9割という天井は、発行時だけの話ではなく、限度額を見直すときにも同じように効きます。
したがって、収入や他社の債務が変われば、算定の結果も変わります。増額の申し込みが通らない場合も、逆に更新のタイミングで限度額が下がる場合も、どちらも同じ計算のうえで起きます。
増額そのものにも明文の制限があります。
なお、個別信用購入あっせんについては、支払可能見込額を超える契約の締結、包括信用購入あっせんについては、クレジットカードの限度額が包括支払可能見込額に90/100を乗じた額を超えるクレジットカードの発行、利用限度額の増額はできません。
発行のときだけでなく、増額のときにも同じ天井がかかります。増額を申し込むと、そのために改めて調査が行われ、算定の結果が現在の限度額に届かなければ増額はできません。
ここから言えるのは、増額を通したい場合に効くのは申し込み方ではなく、算定に入る材料のほう(申告する年収と、照会される他社の債務)だということです。
更新のときにも照会がある
カードの有効期限が近づくと、更新するかどうかの判断が行われます。このときも信用情報が照会されるため、利用記録に残ります。
経済産業省のFAQは、収入のない人について「クレジットカードの更新の際に限度額が下がることがあります」と明記しています。更新は自動的な手続きではなく、判断を伴うものだという前提で書かれています。
クレジット・ガイダンスという指数
2020年代に入って、CICは登録情報から算出した指数を保有するようになりました。
信用情報のうち、属性(年齢・性別・勤務先・居住地等)に関する項目を除外した客観的な取引事実をCICが分析のうえ算出した情報
年齢・性別・勤務先・居住地は除外して算出されると明記されています。指数の中身は取引の事実にもとづくもので、属性による評価ではありません。
保有期間は、契約期間中および契約終了後5年以内です。本人開示の対象にもなっていて、CICは開示できる内容のひとつとして挙げています。
会員会社がCICに登録するクレジット契約の取引事実に関する情報を分析のうえ算出した情報です。
開示されるのは「指数」と「算出理由」の2つです。指数そのものだけでなく、その指数に特に影響を与えた理由まで示されます。
ただし、この指数を各カード会社が使っているかどうか、使っているとしてどう扱っているかは公表されていません。指数が低いから増額できない、という因果関係を外から確かめることはできません。本人が確認できるのは、自分の取引事実がどう集約されているかまでです。
使わないカードを解約するかどうか
限度額の総量を減らしたい場合、使っていないカードの解約が選択肢になります。ただし、解約しても記録がすぐ消えるわけではありません。
契約の情報は契約期間中および契約終了後5年以内まで保有されます。解約は債務を減らす手続きであって、記録を消す手続きではありません。
年会費のかかるカードを持っている場合は、解約と維持の判断材料が記録側ではなく費用側にあります。たとえばapollostation の3枚は、1枚が無条件で年会費無料、残る2枚が年間の利用額しだいという条件の違いがあります。条件を満たさない年は年会費がかかるので、使っていない年ほど費用が効いてきます。
持ったあとに自分でできること
- 開示報告書で入金の状況を定期的に確認する
- 使っていないカードについて、年会費の条件を確認する
- 限度額の増額を申し込む前に、他社の残高を把握しておく
途中の照会も記録として残る以上、カードを持っている間の支払いの積み重ねが、次の審査の材料になります。これは発行時の申込書とは違い、後から書き換えられない部分です。